2007年08月10日

私の場合

私の場合

当然のことながら幼い頃に私が見た心象風景は夫とはかなり異なる。
その頃はまだわが家は、まあまあ豊かで両親と姉と普通に暮らしていた。
そのわが家の数軒先に、かなり大きなお屋敷があり子沢山で評判のお金持ちの家があって
当時としては、珍しい自家用車を持つていたりして、お手伝いさんも二人もいるような家があった

しかしある日そこの家にいた秋子ちゃんという可愛い人形のような女の子が、3歳ぐらいの時突然

死んでしまつた。

その時私はたぶん生まれて初めて、お葬式というものを見たのかも知れない。

その葬儀の時、可愛い棺が家から出てきて、母親が狂ったように泣き叫び棺に覆いかぶさった
姿を見たとき、私は文字通り恐怖のあまり凍り付いてしまった。

怖い!

死ぬのは嫌だ!
大好きなお母さんも何時か死ぬのだろうか!
私も死ぬの?!
どうしょう !  どうしよう!

あの秋子ちゃんは、何処へいっちゃうの----

誰にも言わなかったけれど、私の胸の中は、張り裂けそうな悲しみと恐怖で一杯だった。

当時日曜学校行っていた私は 真剣に全身全霊を込めて祈った。

イエス様 どうぞお母さんやお父さんやお姉さんが死にませんように!

私も死にませんように!

あれから年月がたち、外の魅力的な世界が私を虜にし、すっかりその問題は忘れ去られたように
思えたけれど、
あの日見た 風景はまるで映画のひとコマを切り取って貼り付けたように

私の体の一部にくっ付いていたらしく、
時を経て、又その大問題に取り組むことになる。



Posted by 今日がスタート at 16:58│Comments(2)
この記事へのコメント
物心着いた頃から 母親から神戸の空襲で 実母と妹を亡くした話を聴いて 育ちました 母親は涙ながらに 自分も二人と一緒にいたら・・・妹が羨ましいと思う反面 自分は二人から生かされたのだと 事あるごとに口にします 母親が17歳の時です

戦争は嫌だよ、むごいよ、人の人生を狂わせるよと

その際に 自分は政府のお世話になれず 周囲の方々のおかげで今の自分があると感謝して歩んで来た気丈な女性です

人それぞれ 十人いたら十人が全て違う運命・人生ですが 他人に感謝 物事に感謝 強いてはこの森羅万象に感謝できる自分になれる なっていくと 自然に自分を取り巻く状況に環境が良い方向へ 変わっていくのかなと そして困ってる人の為に行動する事
この年齢になってようやく思える自分になりつつあります

母親が 空襲で亡くなっていたら 今の自分はここにいないし まして私の三人の子供も存在しない訳だから 運命の不思議を感じます

私も 女将さんのように
素敵な女性だわと憧れられるような、人間として 温かい深み厚みのある人に成長して行きたいですね

人生は死ぬ直前迄 学びに行動 そうする事で心も
豊かになるのかな と
感じますね
Posted by 百合の花 at 2007年08月11日 12:35
百合の花さん
素晴らしいお母様のお話感動しました。
17歳で母親と妹さんを亡くすという、凄い体験を乗り越えて生きてこられた-----名も無き人のそれらの人生こそ、偉大ですね。

普通の人の普通の話の中にこそ、どんな書物も適わない、真なる教えがあると思います

体験以上の真実はありません。

苦しみこそが自分の宝であったと思えるようになるには、年月を要しますね。

だからこそ生きるということに、意味があるのだと思いますし、そういう方だつたからこそ
貴女のような素晴らしい方が生まれるのですね。

心豊かな人生ですね。

きっと貴女のお家は、森羅万象が手を差し伸べてお守りくださっている気がします。
Posted by 山の辺 女将 at 2007年08月11日 15:51
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